ストレスでお腹が痛くなるのは、気のせいじゃない|過敏性腸症候群(IBS)と脳と腸の関係

こんにちは、薬屋の凪です。

大事な発表や試験の前になると、お腹が痛くなってトイレに駆け込む。通勤電車でお腹がゴロゴロして、途中の駅で降りてしまう。検査では「異常なし」なのに、下痢や便秘がくり返す。そんなことはありませんか。

「気持ちが弱いからだ」と自分を責めてしまうかもしれません。でもそれは、「過敏性腸症候群(IBS)」と呼ばれる、体のしくみから起こる不調かもしれません。

過敏性腸症候群は、めずらしくない

過敏性腸症候群は、腸に病気が見つからないのに、腹痛やお腹の不快感と、下痢や便秘などの便通の乱れがくり返す状態です。

日本では数%から1割あまりの人に見られ、中高生の全国調査では5〜6人に1人が当てはまりました。国際的にも、気のせいではない体の不調として扱われています。

ストレスで腸が「過敏」になるしくみ

脳と腸は、神経やホルモンを通じていつも連絡を取り合っています。これを「脳腸相関」といいます。

ストレスを感じるとストレスホルモンが出て、腸の動きが活発になりすぎたり、腸の粘膜のバリアがゆるんだりします。

さらに過敏性腸症候群の人は、腸の「警報装置」の感度が上がっています(内臓知覚過敏)。ほかの人は何も感じない刺激を、痛みや不快感として強く受け取ってしまうのです。

また腸は、目覚めたときと食後にとくに活発に動きます。朝の通勤・通学中にお腹がつらくなりやすいのは、この体のリズムに、敏感な警報装置が重なるためと考えられます。

お腹の不調は、気持ちの弱さではなく、体の自然な反応です。反対に、お腹の不調から気分が落ち込むこともあり、その話は次回お話しします。

今日からできる、やさしい「ゆるめ方」

できそうなものを、ひとつだけ試してみてください。

  • 朝は、腸が動く時間を見越しておく:腸は目覚めたときと食後に、とくに活発に動きます。朝ごはんは抜かずに、家を出る前にトイレに行ける時間の余裕をつくっておきましょう。(朝ごはんを抜いてしまうと、胃酸が濃くなって胃腸に負担が増えてしまう場合があります)
  • つらい日は、腸を刺激しやすいものを控える:脂っこいもの、カフェイン、香辛料、乳製品は症状を起こしやすいとされています。
  • 体を少し動かす:ウォーキングやヨガなどの運動で、症状がやわらいだという研究があります。
  • ストレスをゆるめる:イライラしてしまう時に「実況中継」する方法や、好きなことに没頭する休み方も試してみてください。

こんなときは、一度受診を

次のようなときは、ほかの病気がないか確認してもらいましょう。

  • 血便がある、熱が出る、半年で3kg以上の思いがけない体重減少がある
  • 家族に大腸の病気の人がいる、50歳以上で初めて症状が出た
  • 腹痛が生理のときだけ強くなる(婦人科への相談も考えましょう)
  • 症状がくり返して、学校や仕事に支障が出ている

過敏性腸症候群そのものは、大腸がんなど重い病気のリスクを高めないと報告されています。最初に一度確認しておくと安心です。

薬剤師としてひとつだけ。過敏性腸症候群の市販薬(セレキノンS)は、以前に医師の診断を受けた人向けです。まずは一度受診してみてくださいね。

ストレスとお腹のつながりを知り、お腹の不調と上手に付き合いながら、一緒に豊かな人生にしていきましょう。

お問い合わせや“X”にて相談も無料で受け付けています。「緊張するとお腹が痛くなる」「下痢や便秘をくり返す」「通勤中のトイレが不安」など、何でも構いません。なにか困っていることがあれば、お気軽にご相談ください。

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