こんにちは、薬屋の凪です。
寝苦しい夜が続く季節になりましたね。さっぱりしようとお風呂に入ったのに、かえって目が冴えて寝つけない——。そんな経験はないでしょうか。
実はそれ、あなたの体質のせいではなく、お風呂の「入り方」のせいかもしれません。今回は、睡眠を助ける入り方を、薬剤師の立場からお話しします。
お風呂で眠くなるのは「体温」のしくみ
私たちは、体の内側の温度(深部体温)が下がると、眠くなるようにできています。
お風呂に入ると体温は一度上がり、湯船から出たあとにグッと下がっていきます。この「下がる落差」が、眠りのスイッチになります。だからお風呂は、うまく使えば睡眠の心強い味方です。
「入ったのに眠れない」の正体は「タイミング」
ここが、今日いちばんお伝えしたいところです。
上がった体温が下がるまでには、少し時間がかかります。だから寝る直前にお風呂に入ると、体温がまだ高い(活動モードの)まま布団に入ることになり、かえって寝つけないのです。温まったのに眠れないのは、あなたのせいではなく、体温が下がりきる前に横になっているだけかもしれません。
コツは、寝る1〜2時間前に入浴を済ませること。体温が下がってくるタイミングで布団に入ると、すっと眠りに入りやすくなります。実際、就寝1〜2時間前のぬるめの入浴で寝つきが早まることは、複数の研究でも確認されています。
もう一つの落とし穴|熱すぎるお湯
熱いお湯が好きな方は、寝る前だけ少し注意です。42℃を超えるような熱いお湯は、体を「戦闘モード」にする神経(交感神経)を刺激して、逆に目を覚まさせてしまいます。寝る前は、40℃前後のぬるめのお湯に15分ほどがおすすめ。ぬるめのほうがリラックスの神経が働き、心も体もゆるみやすくなります。
夏の「お風呂の落とし穴」
暑い季節は、お風呂でつまずきやすいポイントが3つあります。
一つ目は、シャワーだけで済ませてしまうこと。シャワーでは体温が上がりにくく、「上がった分だけ下がる」反動が使えません。暑くても、ぬるめの湯船に少しでも浸かるのがおすすめです。シャワーだけの日は、足首や首の後ろなど太い血管に、少し長めにお湯を当てると温まりやすくなります。
二つ目は、汗が引かないまま布団に入ること。汗が止まらないままだとベタついて寝つけません。少し引くまで待ってから布団に入りましょう。ぬるめのお湯なら、湯上がりの汗も少なめで済みます。
三つ目は水分です。入浴では思ったより汗をかき、夏は脱水にもなりやすいので、前後に水やお茶を1杯とっておくと安心です。
今日からできる、眠れるお風呂のコツ
- 40℃前後の「ぬるめ」のお湯に、15分ほど
- 寝る1〜2時間前に済ませる(寝る直前は避ける)
- 熱すぎるお湯(42℃以上)は控える
- 夏も、できれば湯船に少しでも浸かる
- 汗が引いてから布団へ。前後に水分を1杯
全部をやろうとしなくて大丈夫。「これならできそう」と思うものから、一つだけでも試してみてください。
それでも眠れない夜が続くときは
入り方を工夫しても眠れない夜が続く、日中もつらい——そんなときは、我慢せず相談してみてください。眠れないときの相談先は、「眠れないなら、まず内科でいい」の記事でお話ししているので、興味があれば覗いてみてくださいね。
お風呂の入り方と身体の仕組みを知って、暑い夜も少しでも眠りやすくして、一緒に豊かな人生にしていきましょう。
お問い合わせや“X”にて相談も無料で受け付けています。「お風呂に入っても寝つけない」「夏の夜に何度も目が覚める」「眠りが浅い」など、何でも構いません。なにか困っていることがあれば、お気軽にご相談ください。
ゆるめる、くらし。 
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